建築を考えるときの条件に、“日当たり”を挙げる方も多いのではないでしょうか。
もし、家を購入した後で南側の家で建て替えが始まってしまったら、誰でも日当たりへの影響が心配になりますよね。
または、古い家の建て替えを検討する際に日当たりに規制がかかるのでは?と心配になられる方もおられるかもしれません。
日当たりを確保するためには様々な規制があり、そのうちのひとつに「北側斜線制限」というものがあります。
建物の高さを制限する法律のひとつで、“敷地の北側にある家の日差しを遮らないように、建てる家の高さを制限しましょう”という法律です。
例えば、敷地のすぐ南側に高い家が建つとその家の日当たりは悪くなってしまいます。
場合によっては近隣トラブルになる恐れもでてきます。
そうならないように、あらかじめ規制を設けて家の高さを抑えるようにしているんですね。
一方、このような制限はどの土地にでもあるわけではありません。
北側斜線制限があるのは「低層住居専用地域」、「中高層住居専用地域」という、主に住宅を建てるための地域に限定されています。
例えば駅前などの繁華街では日照が原因でトラブルになることはほとんどないでしょう。さらには制限が厳しいと発展の阻害になってしまいますよね。
日照権が重視される住宅街に限って設定されているんですね。
北側斜線制限がある土地に建築する場合には、良くも悪くも“斜線制限の影響”を受けます。
自分の家を建てる場合は北側を低くする必要がある反面、自分の家のすぐ南側にも高い家が建たないことになります。
そのため、屋根の形や外観の選択肢は必然的にある程度決まってきますが、南側にある程度の庭を確保できれば日の光が入ってくる家にできるのはメリットだと思います。
家の高さの制限にはいくつか種類がありますが、北側斜線制限に似た制限に「高度地区制限」と呼ばれるものもあります。
北側斜線制限は建築基準法で決まっているもので全国どこでも同じですが、高度地区制限は自治体が決めるものになるので地域によって規制の度合いが変わってきます。
基本的にはどちらも、北側にある家の日差しを遮らないための規制ですが、高度地区制限の方が規制が厳しいのが一般的です。
自治体が、より力を入れて日照権の保護をするという理由で、設定されていることが多いからなんですね。
北側斜線制限がある地域に建築を考えている方は、一緒に高度地区かどうかも忘れずに確認されるといいと思います。
このような規制があるのは、トラブルを未然に防いで、良好な住宅環境を作るためです。
メリット、デメリットを踏まえながら家づくりをしていきたいですね。